今年のベストその他(31日追記)

 まあ、思いだして見ると今年は春ごろまでは割りと好調だったのですが、その後は泥沼状態で。まあ、演劇について半年近くここには書かなかったのが端的にそれを現していますね。個人的にはやはり、CUATRO GATOSが参加した水俣での上演が一番気になる体験でした。そういうわけでまるでぱっとしないのですが今年のベストを。今年はあまりにもネタが少ないのでベストは一つだけ、後は思いついたことを書きます。

 演劇

 これはごく素直にチェルフィッチュ『エンジョイ』(12/07-23新国立劇場小劇場)です。まあ、下記の通りです。後は圧倒的な美学的強度と(それゆえですが)私が酷くつまずくきっかけになったということで、タールハイマー演出ドイツ座『エミーリア・ガロッティ』(3/19-21彩の国さいたま芸術劇場)。*1他には、行けなくて悔しかったのが『モローラ』。遠藤さんの上演もそうですね。ARICAもきちんと見るべきだった(これは特に構成上)。ここに書かなかった上演で、記憶に残っているのは、シアターΧでの武井よしみちさんのパフォーマンス『I wish you were here '06』ですね。ともかくかっこよかった(この表現が絶賛かどうか微妙なのですが、劇場で上演されたことの意味は考えないと)。80年代のパフォーマンスを代表する人だけはあります*2。後、それにつなげると、PortB、私は戯曲を上演すると好きなのですが、交互にやっているパフォーマンスはとこれまではもう一つだったのですが今回はよかった(まあこれも微妙に問題な事情が)*3。それと世田谷パブリックシアターの『ベケットの秋 in 世田谷』「ベケットを読む」これまた微妙ですが*4

 映画

 

降霊 ~KOUREI~ [DVD]

降霊 ~KOUREI~ [DVD]

 旧作です。まあ、映画館で見ましたが。勝手に圧倒されていました。黒沢清の中ではあまり人気がないのですが…。とりあえずこれを見て、何とか批評誌クアトロガトスの原稿を書けました(これと、入間川正美+ morning landscape 7月14,15日 プロト・シアターを主に取り上げております)。『LOFT』も「期待通り」よかったですね。それに蔡明亮(ツァイ・ミン・リャン)の2作品『楽日』と『西瓜』、特に後者です。まあ後は…正直言って見た作品が思い出せない、そのくせかなり見なきゃいけないものを見逃している。ダニエル・ユイレがなくなったのはちょっと衝撃でした(これが遺作になるのでしょうか、昨年のフランスの暴動のきっかけになった、警官に追われた二人の少年が感電死した事件の場所をとった作品です、http://www.youtube.com/watch?v=EGU06JQ92lc)

 

 まずはフィクション

名もなき孤児たちの墓

名もなき孤児たちの墓

 文句なしに凄い作品集です、下記でも書いていますが彼も80年代のパフォーマンスのシーンにいました。この文脈上でも考えるべきだと思います、とりあえず作品の遂行性ということと枠組み(ここでは小説)の問題です。そういう意味で演劇とも絡むわけです。もうひとつはだからこそ単純ににテーマですが。困ったことに後は思い出せません、もしかしてマジで読んでいないのかも。いや、ここでも書いた、イェリネクは読みましたし、面白かったけれど。後は…。こりゃ、やばいなー。

社会 (思考のフロンティア)

社会 (思考のフロンティア)

 これについてはやや物足りないです。もちろん、極めて重要だからです。入り口に立ったところという感じです。これまでの論文がまだまだありますからそちらも本になるそうなのでそれも期待です。著者の二人の意に沿うのかはわかりませんが、私はこれは萱野稔人さんの『国家とはなにか』とあわせて読んでいます。それにしても本読んでないなー、うーん、とりあえず今年紹介したので誤魔化します。本というわけではありませんが、ジャン・リュック・ナンシーが来日して講演してこれは面白かった(運営はメチャクチャだったけれど)。

 今年の事件

 全くベストではないので、これの詳細は来年のエントリーに回しますが、イスラエルレバノン侵攻、ピノチェトフリードマンの死、小泉の退場です。日本の事件(教育基本法など)はあえて最後の表現にまとめました。

 それに絡んで、ある種の胡散臭さ*5も含めて今年の音楽はこれを紹介します。

 http://www.youtube.com/watch?v=5-ECwA-xl0Y

 個人的web的には、やたらと喧嘩したり、誰かを批判をしたりした一年でした。これも、私の調子の悪さと関係するのでしょうか。とはいえ、(一つはともかく)相手に本気で怒ったのも確かですから、ええ書いた通りです修正することは特にありません(誤字脱字はともかくw)。でその一つなんだけれど、早稲田大学の逮捕事件というのもありました、目の前にあるけれど無視してたお隣に関わったというところです*6。しかし、こういうことはもはやどこでも起こることは確かです。こう書いて見ると、全体にどうしても年の後半に偏ってしまうなというところです、眠いのでいい加減になってきたし(^_^;)。

 ではよいお年を