さすが芸術の殿堂

 ベルリナー・アンサンブルのブレヒト原作ミュラー演出の「アルトゥロ・ウイの興隆」*1を初日に見に行きました。いや、ビデオで一回見たけどさすがにいいですね、演劇素人にも面白くてユーモラスで、それでいて見事に作られたいい舞台でした、かなりいいシーンもあります(私はローマの亡霊がウイを呪うシーンが好きですが、制服の男が服を脱ぐシーンは最高のファシズムの戯画です)。思想的にも「簡単に分かるファシズム入門」とでも言うべき内容とミュラーのシビアな世界観が両方出ていいバランスでした。ぜひ、都知事や首相は見に行って見習うべきでしょうね(なにを?)。

 で今日からいける人はぜひ行きましょう。私はなんと全編ドイツ語で見たんです、もちろん日本語字幕なし、イヤホンガイドが有料な上希望者にたりなかった、一度見てない(原作を読んでない)、ましてやドイツの歴史を知らない人はどーするんですか?まさか観客は当然ドイツ語が出来ると思っていたのでしょうか?芸術は言葉を超えて通じる?観客を選びますねー、なんせ芸術の殿堂「新国立劇場」ですから。このあたりの一人よがりも、上の二人そっくり。さすがに今日以降はそんなことはないだろうからお勧めです。